ニーズが高まっている在宅医療の現状と課題

今ニーズの高い在宅医療とは

自宅や福祉施設などで生活している患者さんのところへ医師が直接赴き、そこで診察や治療等の医療行為を行うことを在宅医療と表現しています。
検査なども含め、自宅等でできるようであれば、それを在宅医療として行うことが可能です。
この在宅医療は年々その需要が伸びており、日本社会においては今後もこの傾向が続くことは確実でしょう。
利用者が増えていけば、実際に在宅医療に取り組む医師にとっては患者を確保することにつながり、開業医にとっても利益という形で返ってきます。
もちろん、在宅医療を取り入れる医師の意識としては社会貢献の意味合いや使命感の方が強いはずですが、経営面から見ても、このニーズを獲得するために在宅医療を取り入れることは、決して間違った選択とはならないのではないでしょうか。

似たような診療に「往診」がありますが、これは患者の体調が悪い時に限り自宅等に訪問し診療を行うことを指す点で、在宅診療とは異なった考え方となります。
計画的に且つ定期的に患者の元を訪れ診療を行う、これが在宅医療の特徴と言えるでしょう。

在宅医療のニーズが高まっている背景

在宅医療のニーズが徐々に高まりつつある背景には、日本社会の高齢化があります。
高齢者が多くなれば病気を患う人の数も増えますが、こうした人たちの中には自宅で療養したいと考える人も少なくありませんし、そもそも体調が芳しくなく通院するのが難しい状態にある患者もいます。
そうした人たちの数が急速に増えているため、在宅医療のニーズが高まってきているのです。

さらに高齢者の数が増える背景に言及すれば、寿命が延びていることが関係しています。
医療の発達や健康志向の高まりから、日本では寿命が少しずつ延びてきています。
在宅医療を受ける患者は75歳を超えたあたりから急速に増え始め、85歳以上になるとその数はさらに急増。
長生きする人が増えれば、それだけ在宅医療の需要が増えることになるわけです。

当たり前のことではありますが、単に“高齢者の数が増える”という部分にだけ目を向けてしまうと、重要な部分が見えてこなくなることもあるため、こうした背景を知りつつ、開業時に在宅医療に取り組むかどうかを考えなければいけません。

在宅医療に取り組むメリットとデメリット

開業医が自ら開院した診療所やクリニックで在宅医療に取り組むことは、上でも少し触れたように、医院の売り上げを伸ばすための一つの手段とはなりうるでしょう。それが一番のメリットとなるのではないでしょうか。
ニーズが増えているわけですから、在宅医療を取り入れることで、それが利益として返ってくるのは当然のこと。
ただ、このメリットを得るには、在宅医療を必要とする患者を多く獲得する必要があり、地域選びには慎重にならなければいけません。
また、患者にとっては比較的ストレスがかかりにくいため、落ち着いた環境で診療を受けてもらいやすくなるというメリットもあるでしょう。
医師としても接しやすくなるでしょうし、それがスムーズな診療へと繋がる可能性も期待できます。

在宅医療に取り組むデメリットとしては、医院を空ける必要が出てくる点です。
多くの開業医は患者を医院へと招き、そこで診療を行います。しかし、在宅医療は患者の自宅等に向かわなければならないため、その間、医院を訪れる患者の診療が行えなくなってしまうのです。
もちろん、在宅医療でも利益が上げられるため収益の大幅な減少にはならないはずですが、例えば、医師にとってストレスが増したり、面倒な作業が増えたりなどすることは否定できないでしょう。

在宅医療における課題は?

在宅医療における課題は様々なことが言われていますが、開業医からの視点で見れば、診療の幅が非常に限られている点ではないでしょうか。
一般の住宅に、医師が有している技術を十分に発揮できるような設備はありません。
もちろん、そこで何か特殊なオペなどを行うわけではありませんが、診療所やクリニックなどの医療施設とは異なる環境で最善の診療を行わなければならないと考えれば、医師にとってはさらに知識や技術等を磨かなければならなくなるでしょう。

また、医師1人で在宅医療を行うことは難しく、その他の職種の専門家たちと連携しながら患者の診療に当たる必要がありますが、この連携がどれだけ取れるのかという点も、大きな課題として語られることが多くなっています。
診療を行う場所によっては、普段一緒に仕事をしていない看護師や介護士、薬剤師などとも連携を取らなければいけません。
連携が上手に取れなければ、そのしわ寄せは患者に向かいます。医師はそうした事態に陥らないよう、コミュニケーションを取りながら連携を図る必要があり、また、その能力が求められるのです。

こうした課題も理解した上で、在宅医療に取り組むか否かを決定していかなければいけません。

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